離れて暮らす親が一人で生活していると、「いつも通り過ごしているか」だけでなく、急な体調不良、火災、不審者の侵入なども心配になることがあります。
ただし、見守りサービスや緊急通報、ホームセキュリティは、確認できることも、異常が起きた後に対応する人も異なります。機能の多さだけで決めず、何が心配で、通知を受けた後に誰が動くのかを整理することが大切です。
この記事では、家族通知型、自治体のサービス、緊急通報型、ホームセキュリティ型の違いを整理します。今の生活状況や住まいに必要な範囲を考えるための判断材料としてご利用ください。
- 日常の変化を知る見守りと、住宅の防犯・火災対策は目的が異なる
- 「何を検知するか」だけでなく「通知後に誰が対応するか」を確認する
- 自治体の制度は対象条件・費用・対応内容が地域によって異なる
- ホームセキュリティは、防犯・火災・非常通報・救急通報・現地対処をまとめて検討したい家庭の選択肢になる
見守りと住まいの安全は分けて考える
高齢の親を支えるサービスは、大きく分けると「生活の変化を確認するもの」と「住まいで異常が起きたときに通報・対処するもの」があります。
人感センサーやドアセンサー、家電の利用状況などから、起床や外出、生活リズムの変化を家族が確認する仕組みは、日々の見守りに向いています。一方、窓や扉からの侵入、火災、本人からの非常・救急通報を受け、事業者が状況確認や現地対処を行う仕組みは、住まいの安全を整えることが主な目的です。
両方の機能を持つサービスもありますが、「見守り」という名称だけで同じものと考えると、必要な対応が含まれていないことがあります。
食事・服薬・生活リズムなど、日常の変化を家族が把握する方法を比べたい場合は、先に離れて暮らす親の見守りサービスの選び方をご覧ください。この記事では、住宅の防犯・火災・非常時対応を中心に扱います。
先に整理したい「何が心配なのか」
サービスを探す前に、心配を具体的な場面に分けます。
- 電話に出ないとき、普段どおり生活しているか知りたい
- 転倒や急病のときに、本人が簡単に助けを求められるようにしたい
- 本人が自分で通報できない状態も想定したい
- 不審者、押し入り、空き巣など住宅の防犯が心配
- 火の消し忘れや、留守中を含む火災への備えが必要
- 異常の通知を受けても、家族がすぐ現地へ行けない
- 外出後に戻れない場合の位置確認が心配
最後の「外出中の位置確認」は、住宅内のホームセキュリティとは別の目的です。認知症による行方不明への備えは、認知症の親が外出して戻らないときの備えで、自治体の登録制度や位置情報機器を含めて確認してください。
家族通知型で足りるケース
家族通知型は、センサーなどが変化を検知したとき、家族や登録した協力者へ通知する仕組みです。通知を受けた家族が電話をかけたり、近隣の協力者へ確認を頼んだりできる家庭では、必要な範囲を満たせる場合があります。
主な目的が次のような場合に向いています。
- 起床や外出など、普段の生活リズムを確認したい
- 食事や服薬の記録を家族が見たい
- 異常通知後に対応できる家族や近隣の協力者がいる
- カメラを使わず、本人のプライバシーに配慮して見守りたい
一方、家族が遠方にいてすぐ動けない場合は、「通知を受けた後に誰が確認するか」が課題として残ります。通知機能の有無だけでなく、連絡が取れないときの次の行動まで決めておきましょう。
自治体のサービスを先に確認したいケース
自治体によっては、一人暮らしの高齢者などを対象に、緊急通報装置の貸与や設置、安否確認、受信センターへの通報などを行っています。
ただし、制度名、年齢・健康状態・世帯状況などの対象条件、費用、協力者登録の要否、貸与される機器、通報後の対応は自治体ごとに異なります。ボタンによる通報だけの地域もあれば、火災・人感センサーや事業者の駆けつけを含む地域もあり、全国共通の制度ではありません。
次に該当する場合は、民間サービスを契約する前に、親の住所地の自治体や地域包括支援センターへ確認するとよいでしょう。
- 自治体の対象条件に該当する可能性がある
- 必要なのは主に急病時の通報で、防犯機能までは求めていない
- 費用を抑えたい
- 近隣の協力者を登録できる
相談時には、対象条件、自己負担、機器、通報先、連絡後の現地確認、鍵や協力者の扱いを確認してください。地域包括支援センターの役割や探し方は、地域包括支援センターとは?何を相談できる?で解説しています。
緊急通報型を検討したいケース
緊急通報型は、本人がボタンや専用端末を操作し、受信センターや家族などへ異常を知らせる仕組みです。急な体調不良や転倒に備え、電話より簡単な操作で助けを求めたい場合に検討できます。室内専用か外出先でも使えるか、通報先が家族・受信センター・警備会社のどこか、現地への駆けつけがあるかは、サービスによって異なります。
本人がボタンを押せない場合も想定するなら、一定時間動きがないときに自動で異常を知らせる仕組みなど、別の方法を組み合わせる必要があります。緊急通報型そのものの種類や選び方の詳しい比較は、離れて暮らす親の見守りサービスの選び方もあわせてご覧ください。
ホームセキュリティ型を検討したいケース
ホームセキュリティ型は、住宅に設置したセンサーや通報機器を使い、防犯、火災監視、非常通報などをまとめて扱う仕組みです。サービスによっては救急通報や安否確認を追加でき、異常信号を受けた事業者が現地へ向かいます。
見守りだけではなく住まい全体の備えを検討したい場合、次のようなケースで候補になります。
- 親の住まいの侵入対策と火災監視も必要
- 不審者への不安を本人が非常ボタンで知らせられるようにしたい
- 急病時の通報手段を用意したい
- 本人が通報できない状態も想定して安否確認を検討したい
- 異常時に家族がすぐ現地へ行けない
ただし、契約すればすべての事故を防げるわけではありません。センサーが検知する条件、本人の操作が必要な機能、事業者が現地で行う対応、警察・消防・医療機関との役割の違いを確認する必要があります。
防犯・火災・非常/救急通報・安否確認・現地対処の違い
| 機能 | 主な役割 | 確認したい点 |
|---|---|---|
| 防犯 | 窓・扉・室内などのセンサーで侵入に関する異常を検知する | 外出時と在宅時の警戒範囲、設置場所、操作方法 |
| 火災監視 | 火災センサーが熱や煙などを検知し、警報や異常信号を送る | 設置数、感知方式、通報の条件 |
| 非常通報 | 不審者などの危険を感じた本人がボタンで通報する | ボタンの場所、本人が操作できるか、通報後の流れ |
| 救急通報 | 急病やけがの際に本人が通報する | 利用場所、操作方法、家族・現地対応への連絡条件 |
| 安否確認 | 一定時間動きがない場合などに異常として扱う | 判定時間、外出時の扱い、誤報時の確認方法 |
| 現地対処 | 異常信号を受けた事業者が設置先へ向かい、状況を確認する | 出動条件、費用、鍵の取扱い、到着時間を保証できるか |
「通報」と「駆けつけ」は同じではありません。また、到着までの時間は交通状況などに左右されます。具体的な対応範囲は契約前に確認してください。
ホームセキュリティが向く可能性がある人・向かない可能性がある人
向く可能性がある家庭
- 家族が遠方に住み、異常通知を受けてもすぐ現地へ行けない
- 日常の見守りに加えて、侵入や火災にも備えたい
- 本人からの非常・救急通報を受ける体制が必要
- 家族への通知だけでなく、事業者による現地対処も検討したい
- 住宅ごとに機器の設置場所や対応内容を相談したい
向かない可能性がある家庭
- 主な目的が、食事・服薬・生活リズムを家族が細かく確認すること
- 外出中の位置検索が主目的
- 自治体の制度や家族・近隣の対応で必要な範囲を満たせる
- 住宅への機器設置が難しい
- 初期費用や月額費用、契約期間が希望条件と合わない
どちらに当てはまるかは、親本人の希望、住宅条件、家族の距離、近隣の協力者、費用によって変わります。本人に知らせず導入するのではなく、何を検知し、誰に情報が届くのかを一緒に確認しましょう。
契約前に確認する項目
資料や見積りを見るときは、月額料金だけでなく次の項目を確認します。
- 親の住所・建物種別で利用できるか
- 基本サービスとオプションの区分
- 設置される機器の種類・数・場所
- 本人が行う操作と、操作しなくても検知される範囲
- 初期費用、月額費用、保証金、追加機器・出動等の費用
- レンタルと買い取りの違い
- 契約期間、自動更新、中途解約時の条件
- 異常信号を受けた後の電話確認・家族連絡・警察消防への通報・現地対処の順序
- 現地対処の条件と、到着時間が交通状況等で変わること
- 鍵を預ける必要性と管理方法
- 停電や通信障害、機器故障時の扱い
- 引っ越し、入院、施設入居時の変更・解約手続き
親が賃貸住宅や集合住宅に住んでいる場合は、機器設置について管理会社・所有者への確認が必要になる可能性もあります。
家族で決めておくこと
機器を設置しても、家族内の連絡方法が決まっていないと判断が遅れることがあります。
- 最初に連絡を受ける家族
- その家族が応答できない場合の次の連絡先
- 本人へ電話してつながらない場合の対応
- 近隣の親族・知人へ確認を頼む条件
- 生命や身体の危険が疑われるときの119番・110番との使い分け
- 持病、服薬、かかりつけ医、緊急連絡先の更新方法
- 本人のプライバシーを守るため、家族が確認する情報の範囲
遠距離介護全体の連絡先や現地支援を整理したい場合は、遠距離介護の始め方|離れて暮らす親を支える7つの準備もあわせてご覧ください。
防犯・火災・救急通報・現地対処をまとめて確認するセコムという選択肢
ここまで整理して、「日常の生活変化を家族が見るだけでなく、住宅の防犯・火災、本人からの非常・救急通報、異常時の現地対処までまとめて検討したい」と判断した場合は、セコム・ホームセキュリティの「親の見守りプラン」も選択肢の一つです。
セコム公式サイトでは、親の見守りプランについて、窓・扉周りや室内の防犯センサー、火災センサー、非常通報、室内用の救急通報ボタン、一定時間動きがない場合に異常信号を送る安否みまもりを組み合わせられると案内しています。
異常が発生した際の対応は、内容によって異なります。侵入や火災を確認した場合は、コントロールセンターが緊急対処員に急行を指示するとともに状況確認の電話をかけ、必要に応じて警察・消防・ガス会社への通報と、あらかじめ登録した緊急連絡先への連絡を行うとセコム公式サイトのサービス内容ページで案内されています。救急通報を受けた場合は、24時間365日体制でセコムが駆けつけ、必要に応じて緊急連絡先へ連絡するとされています。安否みまもりで異常が発生した場合は、状況に応じて緊急対処員を急行させ、確認のうえ消防へ通報するとされています。対応の詳細は機能ごとに異なるため、契約前に公式情報で確認してください。
親の見守りプランには、機器レンタルと買い取りがあります。2026年8月27日に公式サイトで確認した一例では、レンタルは月額5,610円、工事料54,890円、保証金20,000円、買い取りは月額3,520円、買取システム料金263,340円と案内されています。設置する防犯センサー、建物構造、設置状況などによって料金は変わり、追加機器・オプションには追加料金がかかる場合があります。
また、セコム公式の料金案内では、ホームセキュリティの契約期間は当初5年、その後は1年ごとの自動更新とされています。レンタル契約の保証金は満期終了時に無利子で返金されますが、中途解約時には返金されないと案内されています。契約形態や個別条件によって確認事項が異なるため、最新の資料と見積りで確認してください。
セコムには複数の見守り関連サービスがあります。今回紹介する住宅内向けの親の見守りプランは、屋外位置検索を主目的とするサービスとは異なります。外出中の位置確認が必要な場合は、別のサービスを含めて比較してください。
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住宅条件、設置機器、費用、通報・駆けつけの範囲は家庭ごとに異なります。資料や見積りで個別条件を確認してください。
セコムの対応内容と、親の住まいに必要な設備を資料で確認する
資料請求・見積り前に確認すること
資料請求や見積りは、契約そのものではなく、親の住まいに必要な機器や費用、対応範囲を具体化する段階です。次の情報を整理しておくと確認しやすくなります。
- 戸建て・集合住宅・賃貸などの住宅種別
- 玄関、窓、勝手口など心配な場所
- 親が主に過ごす部屋と生活動線
- 防犯、火災、急病のうち優先したいもの
- 本人が通報ボタンを操作できるか
- 家族が現地へ行ける距離と時間帯
- 希望する初期費用・月額費用の範囲
見積りでは、提案された機器が何を検知し、どの条件で通報され、その後に誰が何をするのかを一つずつ確認してください。名称だけで判断せず、家庭に不要な機器や不足している対応がないかを見ます。
まとめ
一人暮らしの高齢の親への備えは、機能の多いサービスを選べば終わりではありません。まず、日常の変化を知りたいのか、急病時の通報が必要なのか、侵入・火災も含めて住宅全体を守りたいのかを分けて考えます。
家族通知型で足りる家庭もあれば、自治体の緊急通報制度が利用できる家庭もあります。家族がすぐ現地へ行けず、防犯・火災・非常/救急通報・現地対処をまとめて検討したい場合は、ホームセキュリティ型が候補になります。
本人の希望と住まいの条件を確認し、通知後に誰が動くかまで決めてから、資料や見積りで個別条件を比較してください。
参考にした公式・公的情報
- セコム「セコム・ホームセキュリティ(親の見守りプラン)」
- セコム「セコム・ホームセキュリティ サービス内容」
- セコム「プラン別価格・費用比較一覧」
- セコム「高齢者見守りサービス一覧・比較」
- 堺市「高齢者緊急通報システム事業」
- 船橋市「緊急通報装置の貸与」
サービス内容、料金、契約条件、自治体制度は変更される場合があります。公開前および申込み前に各公式情報で最新条件を確認してください。急な体調変化や生命・身体の危険が疑われる場合は、通常の見守り手順より医療機関や119番・110番など適切な緊急手段を優先してください。

