高齢の親の靴を選ぶとき、「なんとなく歩きにくそう」「靴を履くのに時間がかかる」といった小さな違和感を感じることがあります。ただ、靴選びの悩みは一つではなく、歩くときの不安定さが気になる場合と、靴の脱ぎ履きそのものが負担になっている場合とでは、確認したいポイントが異なります。
この記事では、高齢の親の靴選びで見落としやすい点を整理し、状況別にどこを確認すればよいかをまとめます。
- 「歩行の安定」と「脱ぎ履きのしやすさ」は別の悩みとして分けて考える
- サイズは長さだけでなく幅・甲の高さも本人に合わせて確認する
- 普段どこで履くか(室内・屋外・通院時など)によって適した靴は変わる
- 購入前に試し履きの可否、サイズ交換・返品条件を確認する
高齢の親の靴選びで見落としやすいこと
足のサイズは加齢とともに変化することがあり、若い頃と同じサイズ表記の靴が必ずしも合うとは限りません。むくみ、外反母趾、変形性関節症などにより、左右で足の形が違う場合もあります。デザインや価格だけで選ばず、本人の足の状態と、どんな場面で履くのかを先に整理しておくと選びやすくなります。
歩行の安定・転倒が心配な場合に確認したいこと
歩くときにふらつく、つまずきやすい、階段や段差で不安があるといった場合は、靴底の形状や足を支える構造が重要になります。
- つま先が上がりすぎず、すり足でもつまずきにくい形状か
- 靴底の滑りにくさ、屋内外での使用を想定した溝の形状
- かかとや足裏をしっかり支える構造になっているか
- 脱げにくく、歩行中にずれない固定方法か
歩行が不安定な場合は、靴だけでなく歩行器や杖など福祉用具の見直しもあわせて検討してください。福祉用具の選び方は介護用品・福祉用具の選び方で解説しています。
靴の脱ぎ履きがつらい場合に確認したいこと
かがむのがつらい、手や指の力が弱くなった、腰や膝に負担をかけたくないといった場合は、靴そのものの機能性よりも、着脱の動作をどれだけ減らせるかがポイントになります。
- 手を使わずに履ける、または最小限の動作で履けるか
- ひも・面ファスナーなど、留め具の操作が本人にとって負担にならないか
- 立ったまま履ける設計か、座って履く前提か
- 脱ぐときも同様に、無理な姿勢が必要ないか
サイズ・幅・フィット感を確認する
長さだけでなく、足の幅(ワイズ)や甲の高さも本人に合っているかを確認します。むくみやすい方は、時間帯によって足のサイズが変わることもあるため、夕方など足が大きくなりやすい時間帯に試し履きをするという方法もあります。左右で足の大きさが違う場合は、大きい方の足に合わせて選び、必要に応じてインソールなどで調整します。
使う場面で選ぶ
室内で使うか、屋外の散歩や通院に使うか、デイサービスや施設の面会など特定の場面で使うかによっても、適した靴は変わります。一足で全ての場面をカバーしようとせず、主な使用場面を一つ決めてから選ぶと失敗しにくくなります。
商品の特徴で選ぶ
ここからは、歩行の安定と、着脱のしやすさ、それぞれで特徴のある商品を紹介します。どちらが優れているかという比較ではなく、本人がどちらの悩みを強く感じているかで選び分けてください。
歩行の安定を重視するなら「CRAAS(クラース)」
CRAAS(クラース)は、「靴選びをあきらめない」をブランドテーマに掲げる介護靴・ケアシューズです。人間解剖学に基づいたオリジナルの木型を使用し、指周りにゆとりを持たせた設計で、軽度の外反母趾にも対応しやすいとされています。足裏全体を支える3Dインソールにより、歩行時のバランスを取りやすくする構造になっています。
「カノンS」というモデルでは、サイズはSS(21.5〜22.0cm)からLL(25.5〜26.0cm)まで5段階、幅は3E相当、重量は片足約194g(Sサイズ)と、公式サイトで確認できます。価格帯はモデルによって異なり、確認できた範囲ではおよそ6,600円〜23,760円です。デザイン性を重視したモデルが複数用意されているため、機能性だけでなく見た目の好みでも選びやすくなっています。
本人が着用する靴を、家族が選んで贈るという形で検討されることもあるサービスです。
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脱ぎ履きの負担を減らすなら「LAQUN(ラクーン)」
LAQUN(ラクーン)は、「1秒で履けるスニーカー」として販売されている、手を使わずに履けることを特徴としたスニーカーです。かかと部分の特殊な構造により、手でつかんだり紐を結んだりせずに、踏み込むだけで履ける設計になっています。ひもがないため、かがまずに立ったまま履き降ろしができる点が特徴です。
公式サイトで確認できた情報では、サイズは23.0cm〜28.0cmの展開、カラーは7色、重量は片足約250gです。素材はポリエステル合成繊維(ニット素材)のアッパーと、EVA・TPR素材のアウトソールが使われています。
サイズやカラーによっては欠品していることがあります。在庫状況は変動するため、購入を検討する場合は公式サイトで最新の販売状況をご確認ください。
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CRAAS・LAQUNが向く可能性がある人・向かない可能性がある人
CRAASが向く可能性がある人
- 歩行時のふらつきや転倒が心配で、足元をしっかり支える靴を探している
- 外反母趾など足の変形があり、ゆとりのある設計の靴を求めている
- 機能性だけでなく、デザインも重視したい
CRAASが向かない可能性がある人
- 脱ぎ履きの動作そのものが最優先の課題である
- 足の状態によっては、医師や義肢装具士による個別採寸が必要な場合がある
LAQUNが向く可能性がある人
- かがむ・手を使う動作がつらく、履き降ろしの負担を減らしたい
- 立ったまま短時間で履き降ろしを済ませたい
LAQUNが向かない可能性がある人
- 歩行の安定性そのものを重視したい(靴の構造上の安定機能は公式サイトで個別に確認してください)
- 特定のサイズ・カラーの在庫が必要な時期にすぐ手に入るとは限らない
どちらの場合も、本人の足の状態や歩行状況によって合う・合わないが変わります。持病や足の変形がある場合は、購入前にかかりつけ医やリハビリ専門職に相談することをおすすめします。
購入前に確認したいこと
- 可能であれば試し履きができるか、実店舗や取扱店の有無
- サイズ交換・返品の条件と期限
- 在庫状況(サイズ・カラーによって欠品している場合がある)
- 洗濯・お手入れの方法
- 本人の足の変形や持病がある場合、医師・専門職への相談が必要か
- 価格に送料が含まれているか
まとめ
高齢の親の靴選びは、「歩行の安定」と「脱ぎ履きのしやすさ」のどちらに課題があるかを分けて考えると選びやすくなります。CRAASのように歩行時の支えを重視した靴もあれば、LAQUNのように着脱の負担そのものを減らす靴もあります。本人の足の状態と普段の生活場面を確認したうえで、試し履きやサイズ交換の条件も含めて検討してください。
在宅介護全体の負担について整理したい場合は在宅介護が限界になる前に考えたいこと、日々の生活で必要な福祉用具を幅広く確認したい場合は介護用品・福祉用具の選び方もあわせてご覧ください。今の状況全体を見直したい方は親の介護3分診断もご活用ください。
参考にした公式情報
商品の仕様、価格、在庫状況は変更される場合があります。購入前に必ず公式サイトで最新情報をご確認ください。足の変形や持病がある場合、歩行状態に不安がある場合は、自己判断で購入を決めず、医師やリハビリ専門職にもご相談ください。

